校門を目前に、チャイムが聞こえた。



『お前らぁ〜っ!
遅刻だぁぁっ!』


校門に立つ先生が声を上げた。



『ハァ〜、ハァ〜、ハァッ〜。っマジかよっ!』


とっつぁんは私の手を離すと、自分の膝に両手をついて肩で大きく息をした。


『お前らぁ、指導室の前で10分正座だぁ!』


私達は、先生に連れられ指導室の前に着くと、二人並んで廊下に正座した。



いつもなら、五、六人程並んでいるのに、今日に限って二人だけ…。



静まりかえる廊下で、先にクチを開いたのは、とっつぁんの方だった。