とっつぁんは笑顔で背中を向けると、片手を振り歩き出した…。


私は彼の背中を見送ると、家へと戻った。



その夜、

私の中で、【とっつぁん】という存在が、自分でも気付かないうちに、大きく膨らんでいた事…、掛け替えのない支えであった事に改めて気付いた。



母の事を『恥ずかしくない』と言ってくれた彼の言葉が、何度も何度も頭の中に響いていた…。



どうして今まで気付かなかったのか不思議なくらい、私の傍には常に、【とっつぁん】がいた…。


とっつぁんが教えてくれた事、とっつぁんが気付かせてくれた事…。


それは、大きな愛だと分かった。