40分程かかっただろうか…。

私はただ、母の元へ行けば、この心が救われそうな気がしていた…。



病院に着くと、辺りはすっかり明るくなっていた…。


まだ静かな病院内を、私はゆっくり母の病室へと向かった。




〜ガラガラガラッ〜




既に、ベットから起き上がり、窓を眺める母が振り向いた…。




『…風花ぁ?』



母の声にスゥーッと涙が零れた…。



『…お母さん?
私が生まれた時、嬉しかったぁ?
…お母さん?
私が1番最初に覚えた言葉はっ?
…ねぇ、お母さんっ。
私がっ、私が1番好きだったオモチャはぁっ?』



母は瞬きもせず、ただ私を見つめたまま…。



『…ねぇ、お母さんっ!
答えてぇ…。答えてよっ…。』



私の震える声が、廊下中に響き渡った。