私は、言われた通りに
携帯を夜空に向けて送信ボタンを押す。

少し、ドキドキしてた。

期待してるわけじゃない。

楽しみなわけでもない。

でも、少しだけ。

ほんの、少しだけ。

『もしも、本当なら…』


星の瞬きと、私のまばたき。

どちらが、早いかな。


夜空を見上げながら、そう思った。


送信ボタンを押してから三分は経った事を携帯の時計を見て確認する。



星なんか、迎えに来ないじゃない。


って、私のバカ。


騙されたんだよ。あの男に。

騙された、と言うより信じていなかったといいわけしながら

コレだって、雲の綿毛とか言ってるけど 脱脂綿とか適当にくっつけただけじゃないの?

机の上に投げ捨てるように置いた。

「あ~、バカバカしい。」


バカなのは、自分。

ほんの少しでも期待したりした自分が恥ずかしい。