妖魔04~聖域~

「うそ、だろ」

本気で殺すつもりやったのか。

親に殺されるなんて、冗談じゃない。

だが、訴えたところで、流されるのがオチだ。

「腕の一本なくても、口さえあれば話はできるだろ」

横っ腹以上に破片の刺さった足が痛い。

胸もいたい。

心の方が押しつぶされそうだ。

「吟は」

吟は何とか玉を避けてはいるが、傷男の攻撃をもう片方の腕に受け、両手が下がってしまう。

「くそ、ったれ」

親父を引き離さないと、吟が危ない。

だが、まともに動かない。

「逃げたり、余計な抵抗せずに話せば楽になるじゃないか」

「あまり、世の中を信じられないからな」

「その余計な思考が、あちらさんを傷つけているっていうのが解らないのかねえ」

「俺も吟の全てを分かっちゃいない。だけどな、あんたよりは知ってるさ」

吟の楽しみを無理矢理妨害するのも嫌だ。

でも、吟が死ぬのは更に嫌だ。

俺は彼女を守るんだ。

「ああ、決めた」

「あん?」

「あんたをぶっ倒す」

救い人が登場しない限りは、自分が守らなくちゃならない。