妖魔04~聖域~

吟のほうが上手な分、強い方を任せる。

子鉄は刀を持ち出さず、掌サイズの黒い鉄球を持っている。

「何?」

丸のおっさんの鉄球を、子鉄ちゃんが持っているのか。

技を受け継いだか。

「当たると痛いわよ」

考えている内に、子鉄が素早い速度の鉄球を投げている。

だが、直線状に飛んでくるだけで、避けるのは容易い。

俺は真横に避けたはずだった。

だが、鉄球が真横に曲がり横っ腹に突き刺さっている。

「ガハア!」

ものすごい回転がかかっており、体がくの字に曲がる。

何もないところから曲がる魔球なんてありかよ。

「丞!」

俺に声をかけた瞬間、傷男の拳を腕に受けて辛い顔をする。

「くそ」

吟の辛い顔など見たくはない。

鉄球は回転し続けて腹から足を這うように転がっていき、子鉄の元へと戻っていく。

「はあ、はあ」

ねじ込まれた痛みが横っ腹に走り続けている。

子鉄は何ら変哲もない人間だ。

鉄球に特殊な回転をかけたとしか言いようがない。

解説などしてる場合じゃなかった。

子鉄ちゃんが二投目を投げようとしている。

真っ直ぐか、魔球か。