妖魔04~聖域~

所詮は種の違う生き物であり、賛同していようが交わる事などない。

それが平行に並ぶこともない。

手を取り合うことになっても、元より植えついていた闘争本能に抗うことは出来ない。

仮初の仮面はそぎ落とされ、どちらかが闇の底に落ちる事になる。

結局、妖魔の世界に必要はない。

「知識が偏っているわね。能力以外の技術や言語はどこから来たと思う?」

「人間からか」

「そう、人間の恩恵、改革派の皆様はそれを忘れているようね」

里に存在している建物や、衣服は全て人間が開発したもの。

些細な事だ。

「だが、恩恵をありがたがるのも過去の話だ。今の人間にありがたみを感じはしない」

「そうね」

「お前は、人間の肩を持つつもりか?」

「それも極端ね。犬神君みたいな記号な考え方では切り抜けないわ」

「小ばかにするくらいならば、俺を納得させる事ぐらいはいえるんだろうな」

「犬神君が納得するかどうかなんて、必要のない事ね」

秋野も紅茶を飲み干し、机の上にカップを置いた。

「人間を抹殺するにしても、妖魔の力だけでやっていこうなんて考えを持っているでしょう?」

「当たり前だ。何故、人間の力を借りなければならない」

「その解答じゃ10点にも満たないわ」

「お前、人間を利用しているのか?」

「ふふ、賛同してくれるんだもの、利用しなくてはもったいないわ」

秋野は本当に改革派に所属しているのか。

笑いの奥には、別の何かを潜ましているような気がしてならない。