「お前と論議はする必要はない。取れ」

「私も一緒に同行しよう。お前は気付いてないが、制服は私のためにあるようなものだ、可愛いと思わないか?」

燕は笹原から渡された制服を着用している。

「くたばれ」

拳の形を作り、人差し指と中指で眉間を挟んで力を込めた。

あまり痛くはないが、離した時には真っ赤に染まる。

段々、アホ過ぎて怒りが萎える。

燕の行動に呆れるばかりだ。

「府警と犯罪者ごっこはどうだった?Mっ気のお前は興奮するだろう?」

「夢でも見てろ!」

手錠を引き寄せ膝蹴りを連打で繰り出す。

いつまでも冷静さを失ってはいけない。

一度、深呼吸を行うと、気を取り直す。

コートの男と緑髪の女は見えなくなっていた。

また再会することはあるだろうが、その時は邪魔者として扱う。

そして、俺は自分の目的のために動く。

退魔師のことはいい。

男が言ったテンプルナイツ、秋野に聞いてみるか。