「俺は、これからも妖魔達を殺す事になるんだろうか?」

今日の事にしろ、戦いはまだ終わらない。

「なら、ロベリア共々、死ぬか?」

「それは、出来ない」

守るために力を得たのに、守れずに死ぬのは御免だ。

「お前はお前の出来る事をやればいい」

「そうだな」

大切な人を守る。

邪魔をするのなら、容赦はしない。

そういっても、子供には手を出せそうにないのが、偽善者だよな。

でも、考え方を変えられるは、小さい頃の方がいい。

大人になれば、自分の考え方が根付いている部分があるから、難しい。

言い訳抜きにすれば、ただ単に子供を殺すのが嫌なだけだ。

俺はお吟さんの体を抱きしめる。

「お吟さん」

闘う事が怖いのか。

闘う事にやる気を出そうとしているのか。

生きている内に傍にいる彼女を感じていたいのか。

俺には、まだまだ敵がいる。

改革派、テンプルナイツ、イヴァン=カナシュート。

どの組織も一筋縄ではいかず、巨大である。

一度、戦いが起これば、死ぬ可能性は大きい。

「ん、お前は寂しがり屋アルな」

「お吟さんが、傍にいると安心するんだよ」

彼女が例えどんな存在であっても、影で何をしていようとも、葉桜吟という女性が好きなのだ。

今日という日を生き延びた。

明日という日も彼女がいるのならば、きっと、大丈夫だ。