僕と私で友達

真山とは、住んでる町が違う。
メインロードを挟んで別れた。
そして、15年も住んでるマンションへ帰った。
俺が、生まれてすぐ母さんと父さんは貯めた貯金でこのマンションを買った。
住み始めた頃は、新築で綺麗だったものの今や築年数は10年以上。
老朽化も進み、改装工事のためにここのところエレベーターが使えない。

俺ん家、6階なのに…。

住居が並ぶ長い廊下から階段に差し掛かった時、長い弓の入った布が階段からはみ出ているのが見えた。
鈴は、気付いてない。
はみ出た先を握ってみた。

「これ、何cmあんの?」

「えっ…あぁなんだ、成海か…。」

振り返ってから気付くとは、無礼な。
相変わらずの巻き毛と小さくなった身体。

「先、行っても良いですか?」

「どーぞ、声変わってるから気付かなかった」