僕と私で友達

帰り道、真山は野球部で荷物が多いため自転車通学が許可されている。
白い変なヘルメットを首の後ろへ回し、薄汚れたでかいスポーツバックはボロボロ。
全くタイプの違う奴と、こうして肩を並べて歩くのは初めてだ。

帰り道の途中、駄菓子屋で真山はアイスを奢ってくれた。
言わば買い食いだ。

「マジメな佐藤君は、こんなことしたことねぇだろ」

「こんな事するような連中とはツルまないんだよ」

食べたアイスは何だか、懐かしかった。

「これ、ワイロだからな」

ワイロ?
賄賂だろ。

「何だよ、そのワイロって…」

「一つ、数学の問題集写させてくれ!一つ、野球部のマネージャーに聞いた話、百瀬の幼なじみって佐藤なのか?」

愚問だな。

「問題集は自力でやれよ、百瀬とは家が隣同士なだけだよ」

15歳の青春ってヤツか。
笑わせるな。
俺と鈴はそんな不粋な関係じゃない。