ワナワナと体を震わせ、今にも頭が噴火しそうな状態でいる先生。少女は、怯えながら、少し後退りをした。

「まあまあまあ」

その声は、先生でも少女でもない、第三者の声だった。

少女と先生の間に割って入り、先生を宥めようとしている一人の少女。

「小さいことじゃないですか。イルもわざとじゃないし、許してやったらどうや?」

「小さいこと…?」

先生は鬼の形相でその少女を見て、

「爆破は、小さいことなのかな…?」

「魔法で直せばいいやん」

少女は堂々とした態度で、あっさり言った。
イルと呼ばれた少女も小さく、何度もうなずいた。

「魔力を無駄に遣うんじゃない、と授業で言わなかったか?」

「校舎直すのが、無駄なこと言うんか?先生は」

「じゃあ、イルが直します」

事の発端であるイルは責任を感じながら呟いた。

「いや、あんたがやると二次…いやもう三次だな、三次災害が起きる…ておい!!」

先生の言葉も聞かず、イルは既に魔法をかける準備をしていた。

「よし」

準備が終わったあと、校舎の方を睨み

「校舎を、直れ!!」