(暫くの間、疾風と奏多の話です)


「風上疾風と言います。よろしくお願いします。」

俺は今日、私立春華学院に編入した。


本当は、大好きな智ちゃんと恋人同士になって

毎日ラブラブイチャイチャ登下校を希望してたのに……


俺の大好きな智ちゃんには、一足早くに彼氏がいた。

智ちゃんのお隣さんで、幼馴染みの逞さん……


最初は全然信じらんなくて、無理やりにでも智ちゃんを俺のものにしようと思ってたけど

最近はなんとか納得して

智ちゃんには、幸せになってもらいたいと思ってる。



「よっ。疾風君?お友達は出来たかな?」

「うわっ!!……奏多先輩!?」

一時間目の休み時間に、廊下に出た俺に話しかけてきた、この人物。

智ちゃんの親友らしい、奏多先輩。

俺は……

この人が苦手だ。

今日会ったばかりだけど……

全てを見透かされてそうな感じがして苦手なんだ。


「そぅ、警戒するなよ?」

俺の頭をポンッと軽く叩いてきた、奏多先輩……


思い出したくないけど、俺はこの人に朝……

智ちゃん達の前でキスをされた。

そして

「気に入っちゃった。」

と、言われた。

それは……どういう意味なんだろう。

ただ、興味わいただけで、別に深い意味はないんだろうけど……

あっ、そういえば智ちゃんが、あの後

「奏多は魔性だから気をつけて!」

って、言ってたな……


確かに、キスは上手かった……


って、何思いだしてんだよ!俺!!