夏休みもそろそろ終わりに近付いた頃


今日も逞は、俺の部屋にいた。

何をするでもなく、何を話すでもなく

俺達は、夏休みのほとんどを俺の部屋で一緒に過ごした。


「たまには、逞の家が良い。」

隣なんだから、すぐに移動出来るだろう?

と、俺が言うと

「やだ。兄貴が邪魔してくるもん。」

……

あぁ、確かに……

逞の兄貴、弘樹兄さんは俺達を見つけると、すぐに邪魔……っていうか、話しかけてくる。


本人は全く悪気なしだし、悪い人じゃないんだけど

「何時も邪魔ばかりしやがって……」

と、逞はちょっと弘樹兄さんを敵対視してるみたい。


それで、今日も俺の部屋にいるんだ。

あ、言っておくけど、ちゃんとデートとかはしてるんだからな!!

暑いから、部屋でダラダラしてる訳じゃなくてなぁ……ちゃんと花火大会にも、二人でまた海にも言ったんだから!!


って、誰に言ってんだろ、俺。


~♪

不意にケータイのメール新着音が鳴った。

ん?
誰だろ?