今日は二人で、ちっちゃいパーティーを開こう?

俺が提案すると

「じゃあ、ケーキ買わなきゃな。」

って逞が笑った。

一緒にケーキ屋に行って

俺の大好きなチョコレートケーキを買って。


その帰り道、あんまり人通りの少ない道に入ったら

「ここだったら、バレないから。」

って、逞が俺の手をギュッと握ってくれた。

外で手繋ぐなんて、リスクが高すぎる!

何より恥ずかしい!!

とか、思ったけど

静かに握り返した。



母さん達に

「今日は二人で食事でもしておいで?俺の誕生日は、俺を産んでくれた二人に感謝する日でもあるんだから。」

本当は、逞と二人でいたかっただけなんだけど……

でも、俺の言葉が嬉しかったらしく

母さん達は泣きながら、外食しに家を出た。

……な、なんか。

ちょっと罪悪感があるんだけど……

ごめん。
父さん。母さん。



逞と二人で、買ってきた鶏肉を使って、唐揚げを作る。


慣れない手つきで鶏肉を切っている逞を見て

エプロン姿似合ってるなぁ。

って思ってると

「なーに、見とれちゃってんのー?」

って、逞が俺の頭をクシャッと撫でた。

「見とれてないし!」

って言う俺の顔は、

勿論真っ赤で。

すぐに嘘だと見破られた……