だから

「じゃあ、今日は俺がお前を甘えさせてやるよ。」

って、言われた時は凄いビックリした……


でも、せっかく言ってくれてんだから……

とか思っちまって

「そうか?じゃあ、甘えちゃおうかな(笑)」

なんて、俺が言ったもんだから……




「智。ほら、もう一口食べな?……あーんは?」

「あぁ、あーん……」

今現在、

俺は逞に後ろから抱き締められ、抹茶アイスを食べさせてもらっていた。


甘えたいって言ったのは、俺だけどさぁ

やっぱり何か、ダメ!!

落ち着かない!!


「なぁ、逞?もぅ、普通にしてくれても、良いよ?」

充分甘えたから。

と、逞に言う。

でも、逞は

「まだ、駄目だ。今日はお前の誕生日なんだから、遠慮しないで甘えてろ。」

と、言って

更に俺を抱き締めてくる。


逞の腕は心地よくて

真夏の密着は、暑くて大嫌いな俺も

どうしてか、拒めなかった。


逞の腕が好きっていうより、逞が大好きだから、暑くても側にいたいんだろうなぁ。

なんて、考えて

俺ってば、逞にベタ惚れじゃん。

って、思って笑った。

急にニヤニヤ笑う俺に、ビックリして

「どうしたの?」

と、聞く逞に

俺は

「何でもない。」

と、答えた。


逞がケチと言って

俺はまた笑う。


なぁ、逞。

本当にプレゼントなんて何もいらないんだ。

無理に甘やかさなくても良いよ?

お前とこうして一緒の時間を過ごす事が

俺にとって何よりのプレゼントだから。