「ちょっと……逞……もぅ、ダメ……」


邪魔者がいない家に二人きり。


あれだけうるさく鳴いていた蝉も、俺達に気を使ってくれたのだろうか、

今は鳴くのを止めて、シーンと静まり返っている。

ついさっき恋人同士になった俺達は、互いの片思い期間を埋めていくかのように、何度もキスを繰り返した。


「ん……はぁ……」

時折もれる、逞の吐息に、俺の身体は熱をもって


「んン……ふぁっ……」

本当に自分の声なのか、と驚くぐらい、女みたいな声を出す自分に恥ずかしくなりながらも


俺達は、何度も何度も

キスをした。


息が出来なくなって、苦しくなってる俺に気付いて唇を離した逞に

甘く掠れた声で

「もっと……」

と、呟きまたキスをする。