王子様の秘密-上-




「陽菜、荷物まとめて来なさい」

「…うん」



私だけ取り残された気分だ…


なんで…?

なんでみんな教えてくれなかったの?



ひどいよ…




階段を上ると、成弥がいた。



「…知ってたの?」

「まぁな」

「…っひどいよ!!
みんなだけ知ってて…」

「陽菜…」

「私…
お別れ言えないじゃん…」



バイバイ、なんて…

言いたくもないよ…



「陽菜」

「なに」

「みんな寂しがってる。
陽菜以上に…
俺も、聞いたのは昨日の朝だよ」

「……………」

「優太だって、一日中悲しみと戦ってたんだ。
分かってやれよ」



分からないよ…

私は裏切られた気持ちなのに…



「陽菜の前で泣いたら、陽菜を悲しませるから…
だから優太いねぇんだよ」

「優太君が…?」

「今日はアイツ部活ねぇよ。
今ごろそこら辺でふらふらしてる」

「そんな…」

「アイツなりの思いなんだよ…
不器用な奴の精一杯のやり方なんだ、分かってやれ」

「…うん…」



ごめんね、優太君…


そして、ありがとう…




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