王子様の秘密-上-




「なんで、陽菜ちゃん襲わないの?」

「はぁ!?」

「今までの成弥だったら、構わずヤってたじゃん?」

「俺はそこまで猛獣なわけ?」

「だろ?」



確かに、恭平の指摘は否定できない。


勝手にムード作れば、女なんか楽勝だった。

たいていの女はヤったし。

その中に、好きなんて感情は一度もなかった。


たとえ、家族がいても、一夜過ぎれば俺は襲ってもおかしくない。


…なんでだ?


陽菜に魅力を感じないわけじゃない。

むしろ、陽菜にはいじめたくなる。


あの小さなピンクの唇だって…

何度も奪いたくなった。


なのに…

できなかったのは、なぜだ?



「…分からねぇ…」

「なんか言ったか?」

「俺は陽菜を奪いたくなるよ。
めちゃくちゃにしてやりてぇ…
俺しか見えなくさせてやりてぇよ…」



そうだ。

俺は、陽菜しか見えなくなっていたんだ。


アイツが、他の女と違うから…


ちゃんと、“成弥”として見るから…


媚びも売らないし…



俺は、女として陽菜しか見えなくなってたんだ…



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