【短編】素直じゃない





「ごめん直。傷つけたよな、ほんとごめん。俺バカだからさ、テンションあがると思ってることと違うこと言っちゃうんだよね」


「思ってることと違うこと?」


「うん」


智樹は頷くと耳元で、


「俺はどんな直でも大好きだよ」


と言った。


「ほんと?」


「ほんと。直がちょー好き」


「あ、あたしも……」


「へ?」


ほら、あたし頑張れ。


ちゃんと言うんだ。


ちゃんとあたしの気持ちを…


今じゃないと絶対言えなくなる。


「あたしも…

 智樹が、す…き」


あ、ちょっと間あいちゃった…


でもまいっか。


ちゃんと言えたし、これが素直になれるための一歩だよね。


「直……愛してる!」


「は?」


こんなハチャメチャなあたし達だけど、この恋は永遠だよね?


ねぇ智樹あたし…


「あたしも、愛してる…かも」


素直になれるように頑張るよ!