「おかずも明日から種類増やすね。女好きでも私の愛で何とかしてあげる」
「ちょっ、待て待て待て! 何とかって何する気だよ!」
まじめな顔でそれが至極当然なことのように言葉をつむぎだす愛沢。愛沢のこんな真剣な顔、初めて見た。え、ガチで二人で乗り越えようとか思っちゃってんのか?
…違うだろ、そこは「このろくでなしーっ!」と平手打ちをかましてはいさようならって展開だろ。何故そこで愛を見せる。
「もちろん、他の女に見向きもしないように努力するよ。それでもダメなら監禁するし…」
「いやいやいや、監禁するしじゃねーよ! すんなよ!」
「それでも、それでも多架斗くんが他の女のこと考えちゃうっていうなら、ヤク漬けにして脳内を他のことで満たせば…」
「助けて―――!!」
俺何されんの。
愛沢は「ちょっと考えてくるね! 浮気対策!」と叫ぶと机を丁寧に元に戻して廊下から出て行った。
「…岡田、」
「…っくく、何ぃ…?」
「こうなるってわかってたろ」
岡田は笑いをこらえることもせず、そうだよぉ、と答えた。
