しばらくそのままゲームに興じていると、テーブルにドサッと何かを置く鈍い音がした。


「はい、お姉ちゃん」


画面から目を離し、顔を上げるといつの間に戻ってきたのだろうか、妹が有無を言わさぬ迫力のある笑顔で姉を威圧していた。



テーブルに置かれていたのは唯香のものとおぼしきファッション雑誌の数々だった。


「“はい”って…どういうこと…?」


はいって渡されても…。


「お姉ちゃんには今からこの雑誌を読んでお勉強してもらいまーす」


「はい?」


勉強って…?


「いーい?お姉ちゃん。耳の穴をかっぽじってよーく聞いて」


唯香は素早く私の手からスイートハニーを取り上げた。


「ああ!!私のTSが!!」


この期に及んでゲームのことを考える私を唯香がキッと睨む。


「もうっお姉ちゃん!!」


これ以上反感をかったらあの分厚い雑誌で頭をはたかれかねない…。


私は大人しくソファの上に正座した。