「あっ!!」
しみじみと浸っていると、水瀬さんの何かをポンッと思い出したような声が耳に届く。
何事かと思っていると、ツカツカと水瀬さんが私のところにやってきた。
「理香ちゃん!!」
「へ!?」
ガバッと肩を掴まれ、顔を真正面から見つめられる。
うひょ―――――――い!!何が起こったの!?天変地異ですか!?
「佐田さんから聞いたんだけど、理香ちゃん、カットモデルやるんだって!?」
水瀬さんは期待を込めたように目をキラキラとさせていた。
…それか―――!!
ガクーッと体から力が抜ける。
サタンの野郎…いつの間に…!!
「えっと…。やるというか、やらされるというか…」
サタンの魔法を食らったというか…。弱みを握られたと言いますか…。
返答に困って頬をポリポリとかく。
するとバッと手を握られブンブンと縦に振られた。
水瀬さんの手が!!私の手に!!
そう思うと地球の果てまで走れるんじゃないかってくらい浮かれた気分になれた。



