「お姉ちゃん、どうしたの?」


「あら、名刺?どれどれ。この真南様に見せてごらんなさーい」


まみちぃがグシャグシャになった名刺のシワを丁寧にのばしていく。


それを見て冷や汗が噴き出る。


キノコ少女の顔が瞼の裏に浮かぶ。


ペロリと舌を出したのはキノコ少女でもまみちぃでもなく…私だった。







「NOー!!キノコー!!」








そう叫んで、まみちぃから名刺を取り返す。


2人はふーふーと湯気が立ちそうなくらい興奮してる私を凝視していた。


いっそのこと、変人だと思われてもいい!!だって無理だし!!




「とにかくキノコは嫌なんだあああああ!!」




そう言ってキッチンに向かって駆け出す。


全てのものを浄化することができるのは。


火。


炎だ。


燃やしてやる。こんなもの跡形もなく燃やしてやる!!


「うおおおおおお!!」


意気込みながらコンロのスイッチを回す。


魔王よ!!消えろ!!炎よ!!どうか、あの者を冥府へと還したまえ!!