私はなんだか拍子抜けして、がっくりと待合いスペースのソファにもたれかかった。
……どうにかしなくても良かったんだ。
結局、私ばかりが空回りをしていたわけだ。
大人たちは手順を踏んで、ちゃーんと打開策を考えていたというのに。
私ときたら出場する必要もないミスキャンに参加して、4位という絶妙な順位を頂戴して。
……そして、失恋した。
あの日の出来事を思い出しそうになって、大きく頭を振る。
もう、いい。
……過ぎ去った日のことは忘れることにする。
私にはソウイチさんがいるもん!!
「理香」
ポータブル花園をカバンから取り出そうとしていた私は、佐田さんに呼ばれてビクリと肩を震わせた。
「へい!!何でございましょう!!」
「裏に置いてある雑誌を捨てとけ」
「今、やります!!」
そう言って、慌ててバックヤードに下がるとカーテンを後ろ手に閉めた。
ドクドクと心臓の音がうるさい。
何もかも元通りになったはずなのに。
……調子が狂う。
どうして?



