ふう……。なんとか終わった……。


開会式が終わりステージから降りると、気分が少し楽になった。


緊張で引きつった顔をマッサージしながら歩いていると、一緒に控室まで戻ってきた嵐子に肩をドンっとぶつけられた。


「邪魔よ」


そう言われて、思いっきり睨まれる。


嵐子を始め他の参加者達は一次審査のために、控室の鏡の前で化粧直しを開始していた。


闘いは既に始まっているのだ。決して油断してはいけない。


これから私が踏み込むのは味方のいない、オシャレ星人No.1決定戦である。


私はポケットからごそごそとあるものを取り出した。


“幕末戦士~恋の百花伝~”の特製ステッカーである。


服やらメイク道具を買うのにママンから借金をしている私の寂しいお財布事情で買えるものはステッカーぐらいだった。


特製ステッカーを胸に抱いて、心に誓う。


ソウイチさん見ていてください。


理香は、理香は!!


あなたの為にも絶対に負けませんわ!!