秘密の花園



それにしても……。


「お腹いっぱいだにゃー」


「あんだけ飲んで食えば、そりゃあ満足だろう」


魔王のお怒りの発端は本当に財布が空になるまで飲み尽したせいでもある。


だって美味しかったんだもん。


店員が持ってきた料理はどれもこれも絶品で、魔王が足繁く通うのも納得の味だった。


美味しいご飯があれば、酒もすすむすすむ。


サタンは私に付き合うようにそこそこ飲んでいたのに、顔色一つ変わらなかった。


……さすが、魔王。


魔界の王は人間とは身体の出来が違うのか。


私などしこたま飲んだせいかなんだか頭がぼうっとしてきて、眠くなってきている。


目を瞑ってサタンの背に身体を預ければ、うつらうつらと夢でも見ているような気分になる。


だから、ついついこんな愚痴など零してしまったのだ。