「おい、しっかり立てよ」
会計を済ませて店の外に出るとすっかり夜も更けていて、綺麗なお月様が自己主張するように輝いていた。
「立ってるよお~だ。おほほほほほほ!!」
ほら、スキップだってできるもん。
調子に乗ってよそ見しながらスキップすると、目の前にあった電柱にぶつかる。
「あれー?ゆらゆらするー」
頭がふらふらとするのは電柱にぶつかったせいなのか、酔っ払っているせいなのか。
「お前、正気に戻ったら一発殴らせろよ」
魔王はそんな様子を見るに見かねて、電柱とごっつんこ☆した私をおんぶしてくれた。
「やだよお!!殴らないでよお!!」
子供のようにわーわー言いながら暴れていると、殺気立ったサタンがくるりとこちらを振り返って言った。
「落とすぞ」
ま、魔王のお怒りじゃー!!
「すんません」
魔界の炎で焼き殺されない内に、大人しくしておく。
万が一でも落っことされないようにとサタンの背中にしがみついた。



