「唯香ちゃんが、カットモデルをした日から“恒例”のお篭りが始まったって言ってたからさー。これは何かあるって思ってたんだよねー」


私は昔から嫌なことがあると部屋に篭る習性がある。通称、モグラ。


「もしかして振られたの?」


私はピクンと身体を反応させると硬直した。


す…鋭い…。


途切れる事のない沈黙は肯定しているようなものだ。


「やっぱりね」


健闘むなしく奪い返したポテチはまみちぃの手の中に戻っていった。


「良かったんじゃない?これでちょっとは大人になれたじゃない」


呑気にポテチの袋を開けているまみちぃに向かってカッとなって言い返す。


「全然よくないよ!!水瀬さんが結婚してるって最初から知ってたらきっと好きになんてならなかった!!」


言い返してからしまったと、自分の迂闊さを思い知った。


「は?どういうこと?」


まみちぃが聞き逃すはずもなく、更に追究される。


「ちょっと!!黙ってないで説明しなさいよ」


私は仕方なく観念して重い口を開いた。