胸がドキンドキンと高鳴った。
「おまえはSやMなんて…知らなくていい」
彼の熱い息が耳にかかり、
言われたことなんて頭に入ってこない。
りゅーじくんはあたしのこと、
好きなんだよね…?
あたしは不意に浮かんだ疑問を、そのまま口にした。
「ね、ねえ、りゅーじくん。あたしのどこが好きなの?」
りゅーじくんの息が一瞬、止まる。
「そりゃ、おまえ…」
言いにくそうな声が聞こえ、
あたしは身じろぎして顔を上げた。
りゅーじくんは視線をそらした。
その耳がほんのりと赤くなっている。
「いつも俺のこと見てただろ?」



