一男三女物語

そして、そこに勝手口から昨日の刑事二人が入ってきた。

「係長!CDが見つかりました。」

「何!どんな内容だった?」

「松川大臣が欲しがるはずですよ!数十億の裏金の流れと証拠映像が入ってます。どうしますか?」

「う〜ん?人質の生命を助けることが先決だなぁ?」

「取引に応じますか?」

「ちょっと待ってください!」

亜紀が刑事の会話に口を挟んだ。

「もう、松川大臣の証拠を握っているんですよ!公表しましょうよ!」

「えぇ〜お父さんの命がかかっているんですよ?」

「それは違うと思います。もう、勝負は、ついてます。」

どういうことだい?


田辺が聞き返した。

「マスコミに公表して、全てを明らかにするんですよ!誘拐のことも全て!松川大臣もバカじゃないわ!殺人の罪まで重ねないでしょう?」

「う〜ん!それは、危険すぎないかな?」

「絶対大丈夫だと思いますよ?」

「私には判断できない!署に帰って本庁の大偉さん達を交えて会議だ。田辺は、残れ!犯人から連絡があるかもしれん」

係長はそう言って帰って行った。