一男三女物語

「どうしたの?」

みんな慌てて集まってきた。

「亜紀!何があったの?」

祥子は日頃、大声をだしたりしない一番知的で冷静な亜紀の言葉に驚いた。

「思い出したのよ!パパからの最後のメール!」

「それが何よ?」

「空巣が入ったってメールしたら、宗一郎の物は何も盗られてないかって一番心配してたのよ!」

「どう言うことよ?」

「宗一郎ゲームソフト全部持ってきて!」

「わかったよ!」

宗一郎は、面倒くさそうにゲームソフトの入った箱をテーブルの上に置いた。

「宗一郎!私の質問に応えて!いい?」

「わかったよ!」

「このゲームソフトの中にゲームできないソフトがあったでしょう?」

「うん!これだよ!」

「このソフトどうしたの?」

「パパがニューヨークに行く前にこれは大人のゲームだからしたらダメだよ!でも、宗一郎のゲームソフトと一緒に入れておいてくれるかな?それで一回だけしたんだけどゲームできなかったんだ!」

「このCDゲームソフトじゃないわ?表にはゲームキャラクターの絵を貼ってあるけど?データー用のCDよ!」

早紀はそう言ってパソコンのCDドライブにそのCDを入れた。