「何のお話する?」

私に振られても困ります。

「…なんでもいいですよ」

「そう、じゃぁ…
 イキナリだけど本題に入っちゃって
 良いかしら」


本題…?
何それ…目的があって
私の部屋に居るってこと?


「ど、どうぞ」

「…質問するね。
 答えたくなかったら答えなくていいから」


愛花音さんはそう言って
優しく微笑んだ。

答えたくない事って…?


「舞莉ちゃんは、
 家族の事どう思ってる?」

「そりゃぁ…凄く大切です」

「じゃぁ、誰が一番大切?」

「…誰って…
 そんな順番なんかつけれません」

「そうだね、
 家族って血のつながりだけじゃないと
 あたしは思うんだ」

「どういう事ですか?」

「ん~。
 まぁ、人それぞれ考え方は違うと思うから
 舞莉ちゃんがどう思ってるかわからないけど
 あたしの考える家族って言うのは、
 血じゃなくて心のつながりだと思うよ」

「心…でも、
 家族全員が心で繋がってるなんて事…」

「それぞれの家庭によって
 ただ血がつながってるから
 一緒に暮らしてたりするって言うのも
 あると思う。
 けどあたしはそれが本当の家族なんて思わない」

「…はい」

「だから、
 舞莉ちゃんもお母さんの心と
 繋がろうって考えてみて」

「はい…でも…そんな簡単に
 心で繋がるなんて無理です」

「そうかな?
 まず、お母さんとお話してみたらどうかな。
 そうすれば少しでもお母さんの気持ち
 理解出来ると思うよ」

「……」


愛花音さんの言ってる事…
正しいと思う。

だからってそんな簡単になんてやっぱり
無理なんじゃないかな…。


「舞莉ちゃん?」