紅佐離


「じゃぁ、拓兄私はこれで。
 お風呂に入ってくるので」

「おう、
 じゃぁ俺はこいつらと喋るぞぉ」


いつになく気合が入っている拓兄。

後輩と喋るだけなのに何故
気合を入れる必要があるのか
少々理解不能だったが
私はお風呂に入りに行った。

湯船につかると何だか落ち着く。
頭の中がゴチャゴチャしているときは余計に。

15分程つかっていたら何だか
睡魔が襲ってきたのでお風呂を出た。

リビングのドアに手をかけて、
少し開けて中の様子を少し覗いた。

そこには真剣な表情で
話し合いをする拓兄と村岡、
そしてまだガムテープを貼られているカイ。

中に入らない方が良いな、

と思ったので静かに戸を閉め、
部屋に戻ろうとしたら…


「舞莉、入って良いぞ」


拓兄が大きな声を出して私を呼び止めた。
まぁ気付かれないように気配を消す事とかは出来ますが…

あえて、拓兄に気づいてもらえるようにした。


「はい」


そして、拓兄に気づいてもらえた事が嬉しい。
あ、決して私はブラコンなんかじゃない。


「失礼します」


私は合いている椅子に座った。
ん?

村岡とカイが私を見て驚いてる。
ま、当たり前と言ったら当たり前。

金髪なんですから。


「お前、金髪だったのか」

「そうですよ」

「金髪に喧嘩が強い…もしかして」