「はい、私の家です」

私は村岡を家に連れてきた。

まぁ、大した理由などないけど。
拓兄の仲の良い後輩ならば
殴ってほったらかしにしとくのも
何だな…
と思ったので連れて来ただけ。

村岡とカイはその場に
立ち止まって一歩も動かない。


「何してるんですか、早く入って下さい」

「あぁ…」


村岡は少し動揺しながら答えた。

私は拓兄に声をかけました。


「拓兄、お友達連れてきましたよ」

「友達?」

「はい」


私はそう返事をして玄関でまだ
立ち止まっている村岡を
リビングに連れていった。


「「え」」


2人の声が重なる…。


「なんで拓先輩が」

「いやいや、此処俺の家だし。
 つか奏はなんで此処に?」






村岡奏(むらおか かなで)
    貌龍
  拓に憧れている





「先輩の家って…マジすか
 俺、コイツに連れてこられたんすよ」

「マジマジ、そいつ俺の妹ね。
 仲良くしてやって」

「い…妹?!」

「そうですよ?
 なんでそんなに驚いてるんですか?」


私は笑いながら答えた。

だって、今まで冷静だった村岡が
凄い取り乱しているんだから笑えてくる。