そんなゴタゴタがありながらも
私がつれて行きたい場所が近付いてきた。


「なぁ、何処に向かってんだ?」

「もうすぐなので黙ってて下さい」

「敬語なのにトゲのある言葉だな」

「というか、今何時ですか?」

「しらねぇよ、
 つかもうちょいなら良いじゃねーか」

「はい」


私、村岡、カイ。
という順に縦になって道の
ど真ん中を歩いている。

縦っと言っても兵隊みたいに
真っ直ぐ一列じゃない。

ちょっとグダっとなった感じ。


「着きました」

「やっとか、で、此処は?」

「家ですね」

「んな事目の前のもん見りゃわかる、
 誰の家だ?」

「表札でも見れは良いじゃないですか、
 中に入って下さい」

「中に入れったって…此処…」