紅佐離


今私は橋の上に居る。

そこからゆっくり流れる川を見ている。

今はの時期はそこまで寒くはない。

拓兄に黙って出てきちゃった。
携帯も部屋に置いてきちゃったし。
ま、いいや。

凄く暗いなんて感じる暗さではないし
大丈夫、だと思う…。

私は川を見てボーッとしていた。
って言っても20分くらいで、
1時間も経ってないと思う。
時計もないから時間もあやふや。

この近くの公園に行けば時計、
あるんだけどね…


「お姉さん♪
 なにしてんの?」

「なにもしてないですよ、
 落ち着きたかったので」


いきなり後ろから男の声がした。
その声ではっとした私は
落ち着いて返事をした。


「じゃぁ、俺らと遊ぶ?」

「いえ…遠慮します」


この人たちと遊ぶなんて嫌。


「えー折角誘ってんだか遊ぼ」

「遠慮します」


そう言ったら殺気を感じたので
後ろを振り返り男たちの顔を見た。

この人たち…
見たことがあるような…
気のせい?