「淳哉をもう祖母ちゃん家に預けようと思う。
 今日憂ちゃんから連絡来て
 俺は心配ですぐに向かった。
 でも途中で淳哉の事も思いだしたんだ、
 このまま舞莉のほうに行ったら
 淳哉の迎えには行けねえだろうなって…」


私は静かに聞くことにした。
最後まで…


「だから、祖母ちゃん家に連絡した。
 そしたら母さんが出てさ、
 だったらこれから淳哉は
 私と一緒に暮らすから、
 って言われた。
 そりゃ都合のいい時だけ
 頼んだりしたらこうなるよな」


「でも俺一人で勝手に決めるのは
 いけねーと思って
 まだ返事はしてない。
 今日は母さんが
 迎えに行ってくれたから淳哉は
 祖母ちゃん家に居る。
 で、舞莉はどうしたい」


「お母さんは淳哉と
 暮らしたいんですよね」

「あぁ、そうらしい」


そんな事いきなり言われたって、
私にどうしろって言うのよ。
私だって淳哉と暮らしたい。


「なぁ舞莉?
 考えてる事全部言ってみろ」


拓兄の優しい言葉…。
私は全て吐き出してしまうことにした。


「お母さんが淳哉と暮らしたいのは
 よくわかった。
 でもなんでいきなり!
 私だって淳哉と暮らしてたい。
 拓兄の言う通り都合のいい時だけ
 お願いするなんて失礼すぎると
 思うけど…お母さん、
 今まで淳哉の事ほかりっぱなし
 だったくせに…なんでよ」

「最近は仕事の方が
 落ち着いてきたんだってよ、
 だから一緒に暮らすなら
 今のうちなんだと」

「じゃぁ、また忙しくなったら
 淳哉は私たちのと暮らすの?
 そんなのお母さんの方が失礼だよ…
 もういい、拓兄ごめん
 今は1人になりたいから部屋行く」

「おう」


私はリビングを出た。


「あんま、自分を追い込むなよ…」


拓が呟いた声は舞莉には届かなかった。


すると興奮しすぎたせいか涙が
とめどなくながれてきた。

部屋に着くとベッドにもぐった。