「お、着いたぞー。
 てか此処で合ってるよな?」

「はい、ここっす。
 ありがとーざいましたー」

「ありがとうございました」

「いえいえー。じゃ、また明日な」


私と拓兄は先生の車から降りて
家の鍵を開けて中に入る。

時間的にはもう夕食の時間。

その為、私はキッチンへ向かい
料理の準備をしようとした。

でも、拓兄がリビングに入って来ない。

階段を上って行く足音も聞こえない。

私は不思議に思ったので
玄関に行くと拓兄はまだ玄関に居た。

何処か寂しい瞳で…

私と目が合うと…
何かを決心したかのような瞳に変わり、
私も方に歩いてきた。


「拓兄、どうしたんですか?」

「舞莉、リビング行くぞ。話がある」


拓兄が真剣な瞳で話があると言うときは
私にとっていい話いでは…ない。

それだけは理解することが出来た。


「実はな……」