「私は族に入っていたんですよ」
私がそう言うと先生は
“やっぱり”と言った。
「その族の名は…青龍。
…私は総長でした。
今はもう引退しましたけどね」
…言った。
でも先生はそこまで
驚いた表情をしなかった。
きっと勘のいい先生だから
それなりに強い族に居た事を
察したのだろうか。
「で…私が青龍に居た時の通り名、
それが金蝶です。
おしまいです」
「そうか…やっぱ強い族に入ってたんだなあ
しかも俺の想像した上を行って
総長って…凄すぎだろ、
てか真面目ちゃん演じてんじゃん」
「え、演じてなんかいないですよ!
ね、拓兄!」
「え、う…ん、そ、うだな」
「はっほれ見ろ!拓だって
演じてるって思ってんじゃんかあ」
「そんなことはない…と思います」
まぁ…先生の言う通りかも。
今まで族に入ってたくせに
真面目な格好をしてるなんて。
でも…頑張って真面目になったんだから
否定をされるとグサッとくる。
少しは考えて欲しいな。
「自信ねーんじゃんかよぉ。
でも、理由があるんならいいんじゃね
まぁ、似合ってねーけどな、
俺がどうこう言う事じゃねーし」
先生って不思議ですね…
傷つく事を言われたと思ったら、
キチンと理解しているかのように…



