「拓?」
「え?」
先生が拓兄を呼んだ。
一体どうなるのか。
拓兄は振り返り先生の方を見た。
すると驚いたような顔をして
大きな声を出した。
「雅夜先輩!」
「やっぱ知り合いだったのか」
私は小さな声でボソッと呟いた。
「やっぱ拓か
この前会ったけどおひさあ」
「どうもです、
というか先輩この学校の教師だったんすね」
「そうだぞー、お前の妹はすげーな。
俺が入ってた事当てやがった」
「先生、入ってたって何にだよ」
和十君がとてもいい所に
反応をして質問をした。
「おぉいい所に反応したなぁ、
だが先生には敬語だ」
黒っ…黒いですよ先生…
和十君、ちょっとビビっちゃってる。
「すいません」
「ま、いいけど」
いいなら怒んなくていいじゃん。
「で、何に入ってたんすか?」
「おぉ、しつこいなぁ。
けどちゃんと敬語や」
先生キャラ可笑しくなってる。
みんなちょっと引き気味。
拓兄は普通だけど…
きっと慣れてしまったんだ。
慣れとは恐ろしい。
「何に入ってたか…だよな
俺は族に入ってたんだよ、
ぜってぇ言うなよ
広めたりしたらどうなるか覚えとけよ」
「なら教えなければいいじゃないですか」
「あぁ?」
私がボソッと呟いた言葉を
聞き取られてしまった。



