-舞莉たちの教室-


三浦は教室まで走った。
途中生徒とすれ違い


「先生ー何走ってんだよ、危ねーよ」


と注意をされた。
その返事には


「すんませーん、
 でも走りてー気分なんだよ」


と軽く返事をしていた。
三浦は生徒から人気があった。

若い、面白い、元気、
男子生徒、女子生徒から支持されていた。



-ガラッ-



ドアを開けた。
そこには床に座り込みボーっとしている憂。

ただ突っ立っていて
目の焦点が合っていない和十。

この2人を見て三浦先生は固まった。
一体何があったのだろうか。

その質問を口にする前に
まずは2人の意識を
ハッキリさせるために声をかけた。


「佐々木、どうした?
 床に座るなー、汚れるぞー」


張りつめた空気に反論するように
三浦は呑気な声で言葉を発した。

すると空気が一気に変わった。
その空気の違いを感じ取ったのか、
憂がハッキリと意識を戻した。


「先生、なんで此処に…」

「ん~、ちょっとなぁー。
 それより、桜沢に何があったんだ?」

「あ!舞莉!!」


一瞬とり乱した憂だったが
自分が落ち着かないと進めないと思い
深呼吸をし落ち着きを取り戻した。


「舞莉…倒れちゃって…」


続きを話したくない事を感じ取ったのか
三浦は憂に一言いい
和十にも声をかけに行った。


桜沢の親か誰かに連絡を入れてくれ。
迎えに来てもらう。


憂は急いで携帯を取り出し
“拓さん”の番号を出して電話を入れた。

どうか出て下さい。