紅佐離


「でもさ、あんたが納得できる
 結果って何よ。
 てかどんな結果が出てきたの?」

「桜沢は普通の高校生、
 兄貴は県一位の族の下っ端、
 弟、淳哉は年長組、
 母親は日本の大企業会社の社長。
 そして父親は裏社会…
 つまり殺し屋の下っ端」

「それで、なにが納得出来ないのよ」

「だから、桜沢の情報だよ。
 普通の高校生っておかしいだろ」

「おかしいってなにがよ!
 舞莉は普通じゃないって言うの?」

「違うよ、憂。
 俺らが言いてーのは…
 舞莉の殺気は半端ねー。
 だから違うと確信したんだ」

「まぁ、確かに。
 舞莉の殺気は半端ないかもしんない。
 そこは認める、舞莉自身はどうなの?」


いきなり私に話を振られても困る。
3人の会話の主役は私なのだ。
どう口出しをすればいいのだろう。
憂が私に話を振ったという事は

憂自身も限界なんだ。


「私は…殺気が半端ないのとか…
 認めます。
 でも、私は普通の高校生です」


今は…。


「今は、じゃないのか?」

「!!」


私は心の中を稜牙君に読まれた。
何故あたったのか。

それだけ彼が作った私の情報を
信じていないということになる。


「…違い…ます…」

「舞莉、本当の事言ってくれよ…」


もうやめて…
これ以上思い出させないで…

私が大好きだった場所。

私自身が輝いてたと思える場所。

私にとってかけがえのない仲間。

私が…

いや…止めて…

ヤメテ…

これ以上は

イヤ…