「不器用って言うか機械音痴なんじゃね」
「うっせー」
和十君が憂の言葉に付け足しをしたら
稜牙君はちょっと恥ずかしそうに怒っていた。
「で、話ってそれだけ?」
「いや…」
「まだあんの?何よ」
憂が質問をし、稜牙君が答える。
そして今度は和十君が話始めた。
「…お前、『唏龍』抜けてんじゃん」
「うん、それで?」
「だから…えっと…」
「だから、なんで抜けたのか。
それとお前は金蝶と仲がいいんだろ?」
和十君が言葉に詰まり、
その続きを稜牙君が補うように続けた。
「なんでって…それは言えない。
うん、確かに金蝶と仲がいいわよ。
今だってめっちゃ仲良しだし」
「じゃぁ…金蝶って誰なんだよ
桜沢は調べても納得できるような
結果が出て来ねーんだよ…」
「そんな事言える訳ないでしょ、
稜牙がここまで真剣になるんだから
教えてあげたいって思うけど…
あたしの勝手な意思で
どうこう出来る話しじゃない」
…私は固まっていた。
いきなり金蝶という名が出てきたから。
その金蝶とは私の事だから。
いきなり過ぎて理解が出来なかった。
憂が一生懸命これ以上探るのを
止めようとしてくれてる。
私も止めなきゃ。
でも、私が話に入ったりしたらどうなる?
余計危険になる…
私はおとなしく話を
聞いているだけしか出来ないの?



