紅佐離


長い沈黙が続いてしばらくした頃に
憂が口を開いた。


「なんであんたたちがそんな事知ってんの」

「悪い…調べた…お前ら二人に
 裏があんのはなんとなくわかってたから
 気になって…マジで悪い…」


稜牙君が本当に申し訳なさそうに…
憂に謝った。

きっと本当に悪気があった訳じゃない。

私たちにある“裏”というものに
気づいてしまったから。

仕方ない事だと思う。


「まぁ…いいよ…
 いつかはばれると思ってたし」

「わりぃ…」


和十君も謝っている。
でも、何故憂の情報を掴む事が出来て、
私のは無理だったのだろうか。


「あの…」

「「ん?」」


稜牙君と和十君の視線が集まる。


「えっと…一体どうやって
 憂の情報を見つけたんですか?」

「企業秘密」

「パソコンでちょっとイジッたんだよ」


和十君が秘密と言ったのに、
稜牙君はあっさりと教えてくれた。


「へー稜牙パソコン出来るんだ」

憂は稜牙君に疑いの視線を送っている。
なにかあったのだろうか。


「…俺じゃねーよ…和十だ」

「だよね、良かったわー。
 あんた、不器用だもんねー」


憂がからかうように稜牙君に言ったけど
稜牙君は流していた。