紅佐離


「ふ…」

私は生徒会室から逃げて来て、
やっと教室に着いた。


そこには、憂も居て
…稜牙君、和十君も皆待っていた。


「舞莉、お疲れどうだった?」

「特に何もなかったですよ…
 待ってて下さってありがとうございます」


憂にだけではなく稜牙君や和十君にもお礼を言った。


「大丈夫よ」
「いいさいいさ」
「気にするな」


それぞれが返事をしてくれた。


「今日はお話があるんですよね
 どこでお話しますか?」

「「「………」」」


皆無言…


「此処でいいんじゃねー」


和十君がいきなり口を開いた。

そしてそれに同意するように
稜牙君が頷く。
でもその後には沈黙が続き、
誰も口を開かない。

それを見かねて、憂が一言。


「なんか用件があって呼んだんでしょ
 早くしてよ、帰るよ?」

「いや…帰るのだけは勘弁してくれよ」

「分かったから、早く…」

「じゃぁ…」


憂と和十君が少しの会話し、
少しの間が空いてから稜牙君が声を発した。

稜牙君の言葉に続く言葉…
それはあまりにも衝撃的で…
私と憂は呼吸が
止まったかのように思えた。