紅佐離


「ねぇ舞莉、稜牙の事どう思ってんの?」

「なんでいきなり稜牙君なんですか?」

「特に理由はないけど~」


憂は可愛らしい笑顔で私に言った。

私たちは今ファミレスに居る。
先程まで雑貨屋さんなどで
はしゃいでいたがお昼の時間だったから
場所を移動した。


「理由がないなら聞かないで下さーい」


私は何だかしっかりした答えが
浮かんでこなかったので誤魔化した。


「こらっ!誤魔化さないの。
 ちゃんと答えなさい!」

「……うぅ…」

「唸らないの~、
 たまには舞莉の恋バナも聞かせてよ」


なんで…稜牙君=恋バナ
というふうになっているんだ。


「あの…憂
 私、稜牙君に恋していないんですが」

「んな事分かってるわよ!
 舞莉が鈍感なんて事は」


…は、話が…噛み合ってない…

しかも憂はなんだかテンションが
上がってきているようで声が大きい。


「憂、話がイマイチ理解出来ないです
 それに声が大きいですよ」

「あ、ごめん!ちょっとテンションが」


憂可愛い。
頬が薄いピンクに染まってる。


「で、なんで理解出来ないのよ
 そのまんまの意味!
 舞莉は稜牙の事どう思ってんの?」


どうって…


「男の子」

「そりゃぁ稜牙は男だ、
 ってそうじゃなくて…好き?」

「友達として…」

「そ、舞莉気づいてないね」


一体何に?