紅佐離


憂は私の家に来るといつも
何かお手伝いをしてくれる。
ありがとうございます…


「舞莉~食器洗っといたからね」

「はい!ありがとうございます」


私は洗濯物を干す為に外に居たので、
大きな声で返事をした。

そして、干し終わったので部屋に戻り
拓兄に憂と出かけて来ても良いか聞いた。
そしたら、
憂ちゃんと最近行ってないだろ?楽しんで来い
とすぐに許しをもらえた。

憂も私の提案に
喜んでいたので私も嬉しかった。

私と憂は急いでお出かけの用意をした。

そして、出かける間際に

“帰って来たら話さないといけねぇ事がある”

と拓兄が私にしか聞こえない声で言った。

一体何なんだろう。

気になる。
でも久しぶりの憂との外出だから
あまり気にとめていなかった。

だけど…そう考えた自分が嫌になった。

どうして簡単に聞き流してしまったのか、
あの場で拓兄を問い詰めておけば良かった。


私は後悔をした。