俺はこの情報を見て
その頃の噂などを思い出した。

良く考えればいちいち調べなくても
良かったかもしれない。
だが、調べて正解だった。


「つーか、“黒蝶”
 って結構有名だよな」


俺の質問に和十がすぐ返事をした。


「そうだな、金蝶と同じくらい
 強いんだったよな」

「あぁ、でも何故か引退してる。
 金蝶よりも早く」


“黒蝶”…つまり佐々木は
全国で2位の族の総長だった。

その族の名は…『唏龍』

素顔を見たのは
当時の唏龍のメンバーだけだった、
という噂を聞いたことがある。

それに…金蝶と仲が良かったらしい。

この情報だけでも結構近づけただろうか。


「なぁ稜牙、お前まだ
 金蝶の事好きなのか?」

「別に好きじゃねー。今はただの憧れだ」

「そうか。自分で分かってんならいいや」

「なにが言いたい」

「じゃあ聞くが、舞莉の事はどう思ってんだ」


なんだコイツ…いきなり。


「俺は…