稜牙side

学校の帰り道。


「なぁ…稜牙」

「なんだ」

「舞莉さ…似てたな。なんていうか…」


いつの間に下の名前で呼んでんだよ。
俺は違うのに…
ちょっとムカっとした。


「あぁ、桜沢は中学の頃助けてくれた
 金蝶に似てるな」

「だよな、やっぱ稜牙も思ったか!
 さすが、俺と長年付き合ってる証拠だな」


俺はその言葉を聞いて
和十を少し無視しようと決めた。

つまり放置プレイ。

その後も和十に色々質問とかされた。
でも、全部無視した。
最終的には…


「おい、稜牙!放置プレイはもういいだろ
 いい加減返事してくれよ!」

「はいはい」


適当に返事をした。


「適当にすんな」

「なぁ、調べてみねー?」

「は、調べる?何を?」

「お前アホか!さっきの話聞いてたか?」

「おう、でもわかんねえ」

「死ね」


俺は小声でつぶやいた。
考えてみろ、今さっきの会話だぞ。
それに聞いてたって
自信満々に答えたくせに
わかんねぇってふざけんなよ…


「はっはっはー俺は死なないよー!
 不死身のヒーローだ」


こういう場合は無視だ。
そして、話をそらす。


「桜沢の事調べてみないか?
 どんな裏があるのか知りてぇ」

「じゃあ、俺ん家来るか」

「あぁ」